<Header>
<Author: 張九齡>
<Title: 酬趙二侍御使西軍贈兩省舊僚之作>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 趙二侍御史が西軍にて兩省の舊寮に贈る作に酬ゆ>
<BookPage: 295>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
石室先鳴者，
金門待制同。
操刀嘗願割，
持斧竟稱雄。
應敵兵初起，
緣邊虜欲空。
使車經隴月，
征斾繞河風。
忽枉兼金訊，
非徒秣馬功。
氣清蒲海曲，
聲滿柏臺中。
顧己塵華省，
欣君震遠戎。
明時獨匪報，
嘗欲退微躬。
<End Poem>
<Translation>
御史臺では先頭をきって名をあらわした君だが、わたしとはもともと同時に試験に及第して任官を待った仲間で、昔風にいえば、金馬門待詔という身分であった。官界政界に出て、刀で物を切るように、すっきりした手腕をあらわす機會を待っていられたのが、今や天子からさずけられた斧をもって從軍し、雄才を發揮されることになった。わが軍は侵略をなすものではなく、外敵の攻撃に應じてたったもので、邊境の地帶からこの侵入の蠻族を一掃するのも程遠くなかろう。君は使者の車に乗って隴山の月かげの下をすすみ、君の旗じるしを黄河の川風になびかせながら、めぐりめぐってすすんでゆく。そう思って案じていたら、突然、君のところから黄金のように貴重な存問のお手紙を頂戴し、みごとな詩を贈ってよこされた。してみれば、軍馬に草をやって縦横に疾駆して、武功をたてるだけではなく、餘裕綽々として文雅風流の道にも心を寄せられることは、敬服のいたりである。蒲昌海のあたりも静かになって兵氣も消えるだろうし、君の名聲は御史臺に満ちわたるであろう。しかし自分自身のことをふりかえってみると、碌々としてなんの働きもなく中書省の要職をけがしていることは恥ずかしい話で、それにひきかえ、君が遠くの蠻族にまでも威をふるわれるいさおおしは、まことに喜ばしいことである。今のような聖明の御世に天子の恩にむくいることもできずにいることは申しわけなく思っているので、いつも機會があれば退官して無能の責めをまぬがれたいと思っている。
<End Translation>
<Formatted Translation>
御史臺では先頭をきって名をあらわした君だが、わたしとはもともと同時に試験に及第して任官を待った仲間で、
昔風にいえば、金馬門待詔という身分であった。
官界政界に出て、刀で物を切るように、すっきりした手腕をあらわす機會を待っていられたのが、
今や天子からさずけられた斧をもって從軍し、雄才を發揮されることになった。
わが軍は侵略をなすものではなく、外敵の攻撃に應じてたったもので、邊境の地帶からこの侵入の蠻族を一掃するのも程遠くなかろう。
君は使者の車に乗って隴山の月かげの下をすすみ、
君の旗じるしを黄河の川風になびかせながら、めぐりめぐってすすんでゆく。
そう思って案じていたら、突然、君のところから黄金のように貴重な存問のお手紙を頂戴し、みごとな詩を贈ってよこされた。
してみれば、軍馬に草をやって縦横に疾駆して、武功をたてるだけではなく、
餘裕綽々として文雅風流の道にも心を寄せられることは、敬服のいたりである。
蒲昌海のあたりも静かになって兵氣も消えるだろうし、君の名聲は御史臺に満ちわたるであろう。
しかし自分自身のことをふりかえってみると、碌々としてなんの働きもなく中書省の要職をけがしていることは恥ずかしい話で、
それにひきかえ、君が遠くの蠻族にまでも威をふるわれるいさおおしは、まことに喜ばしいことである。
今のような聖明の御世に天子の恩にむくいることもできずにいることは申しわけなく思っているので、
いつも機會があれば退官して無能の責めをまぬがれたいと思っている。
<End Formatted Translation>